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Acustimantico アクスティマンティコ

1998年夏、ローマにて結成。以来、伝統音楽、ジャズ、ポップス、アバンギャルド、様々な音楽的要素を取り入れ、ヨーロッパ的色彩やバルカン半島の香り を織り込んだ斬新な曲作りを展開。その独特な音楽とパフォーマンスが話題となり、瞬く間にセルフプロデュースバンドとしてイタリア音楽界にニューウェーブ を引き起こした。結成以来のコンサートライブは数百を越え、国内外音楽フェスティバルへの招聘、音楽賞の受賞など、国境を越えて高い評価を得ている。日本 でも数度のコンサートを実施しており、プログレッシブ・ロック・ユニット、アストゥーリアス(Asturias)とジョイント・コンサートを行っている。

アクスティマンティコとの出会い

あれは2007年の7月末のことでしょうか。同居人であるジュディッタという女の子が野外で絵の展示会をするというので、ローマの真ん中、ポンテルンゴ (Ponte lungo)に位置するでっかい公園に行ってきました。どこまでも続くような広大な敷地には、ジプシーが住み着いていて、展示会が行われる予定のその原っ ぱは、夕日を浴びて一種異様な空間となっておりました。この展示会は、とあるボランティア団体が主催したものだったのですが、懐中電灯を照らして見るジュ ディッタの展示会と一緒に野外ライブも行われていまして、そこで僕は初めてアクスティマンティコを目の当たりにしたわけです。スピーカーもアンプもない まったくのアンプラグド(記憶が正しければヴォーカルもマイクなしで歌ってたはず)で、民族音楽を思わせるサウンドにきれいなヴォーカルが絡んで、不思議 な空間と見事にマッチしていたのです。「こんなバンドがイタリアにいたとは!」というのが初めての印象でした(上の写真は、そんな彼らのステージのひとコ マ)。

その後もバーやブックカフェで彼らの演奏を聴いて、ますますファンになっていったわけですが、一方で、一日本人から見た違和感というか、彼らのライブでの 立ち振舞いが日本で僕が観たアーティストのそれとは違うな、と感じたのでした。そう考えていて思い出したのは、イタリア文化において言われる、芸術の配合 と横断という論説です。例えばチェーザレ・ザヴァッティーニ(Cesare Zavattini)。1920年代、ジャーナリストとして記事を書いていた彼は、小説も書き始めて、その後シナリオライターに転向し、映画の世界に身を 捧げました。例えばピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)。フリウリ方言で詩を書き、ローマ方言で小説を書き、絵画の構図を取り入れて映画を撮りました。彼らのような存在に肩書きをつけるとす れば、作家でも小説家でも映画監督でもなく、それらさまざまな要素を抱合している芸術家とするのがもっとも適当だと思われます。芸術のカテゴリーを飛び越 える芸術家たち。アクスティマンティコもまた、そんなアーティストなんじゃないかな、と思うのです。それはイタリアの音楽シーンにおいて、彼らに限ったこ とではありません。メドゥーサのお面をかぶって演奏するヴィンチォ・カポッセーラ(Vincio Capossela)のパフォーマンスは、演劇の要素を多分に含んでいるし、ローマ方言の自作詩を叫び倒すレモ・レモッティ(Remo Remotti)のライブは、日本では見慣れないタイプのものです。このように、イタリアのライブパフォーマーたちにも、芸術の配合や横断を感じることが 往々にしてあるのです。

アクスティマンティコのヴォーカル、ラッファエーラ・ミジーティ(Raffaella Misiti、写真・上)は、時に優しく神話や物語を語るように、時に何かを激しく訴えるように歌を歌います。曲間で突然楽曲の意味について説明し始めま す。そんなストーリーテリングとあいまって、さまざまな場所・さまざまな編成で行われる彼らの演奏は、観るたびに印象が変わり、とても魅力的です。芸術を 横断する新しいタイプのアーティストグループ、アクスティマンティコ。彼らとその楽曲の魅力については、下のディスコグラフィーにリンクしている各アルバ ムの紹介ページをご覧ください。

メンバー

ヴォーカル Raffaella Misiti
ラッファエッラ・ミジーティ
ギター/作曲/アレンジ Stefano Scatozza
ステーファノ・スカトッツァ
サックス/フルート Marcello Duranti
マルチェッロ・ドゥランティ
ドラム/パーカッション Massimiliano Natale
マッシミリアーノ・ナターレ
コントラバス Stefano Napoli
ステーファノ・ナポリ
(アシスト)  
ヴァイオリン Carlo Cossu
カルロ・コッス
コントラバス Stefano Napoli
ステーファノ・ナポリ

受領歴

1999年 蓮の花(Fiori di loto)」で新人バンドフェスであるソニカ・コンクール新人賞受賞
2002年 ファブリツィオ・デ・アンドレ賞
2003年 レカナーティ音楽祭で批評家賞・最優秀音楽賞
2003年 ファエンツァのMEI(インディーズレーヴェル音楽祭)で特別賞
2004年 マントヴァ音楽祭 ベスト・レパートリー賞
2004年 3rdアルバム『サンタ・イザベル』がファエンツァMEIで2004年度最優秀自主制作レコード賞

ライブパフォーマンス

彼らの奏でる、身体の細胞をもふるわせるような美しく情熱的な音楽は、多くのリスナーを虜にする。とともに、音楽という枠組みにとらわれない彼らのライブパフォーマンスもまた注目を集めている。例としては、以下のようなものがある。
・ナレーターとのリーディング・セッション
 (2006年1月ローマ音楽ホールにて『エマヌエル・カルネヴァーリ、アメリカへ行く』)
・ダンス・コンサートへの参加(ベルリン音楽祭2007)
・列車内ライブ
 (テット・ドゥ・ボア(Tetes de Bois)企画『ローマの眠れぬ夜(Notte bianca), 2007年』)
"ミュージシャンによるコンサート"という言葉から我々が抱きうるイメージ範囲をグイグイと押し広げ、言葉-演劇-音楽が融合する舞台づくりを行ってい る。また、2006年8月ローマ国際音楽祭"世界と出会う(Roma incontra il mondo)"では、アムネスティ・インターナショナル(イタリア版、日本版)、ボランティアらと共同で、戦場・貧困を逃れて渡伊した子供たちの物語を作 曲。こういったメッセージ性の強い活動にも参加しており、平和、移民、市民権など社会問題への関心も伺える。
<文:ツイスティーけいこ>

ディスコグラフィー

ジャケット画像、または下記のリンクをクリックすると、詳細ページへジャンプします。

  • La bella stagione『美しい季節』 2002年
  • Santa Isabel『サンタ・イザベル』 2004年
  • Disco Numero No.4『ディスク・ナンバー4』 2005年
  • 『EM、またはエマヌエル・カルネヴァーリ アメリカへ行く』
    EM, ovvero Emanuel Carnevali va in America 2008年

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