その後もバーやブックカフェで彼らの演奏を聴いて、ますますファンになっていったわけですが、一方で、一日本人から見た違和感というか、彼らのライブでの 立ち振舞いが日本で僕が観たアーティストのそれとは違うな、と感じたのでした。そう考えていて思い出したのは、イタリア文化において言われる、芸術の配合 と横断という論説です。例えばチェーザレ・ザヴァッティーニ(Cesare Zavattini)。1920年代、ジャーナリストとして記事を書いていた彼は、小説も書き始めて、その後シナリオライターに転向し、映画の世界に身を 捧げました。例えばピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)。フリウリ方言で詩を書き、ローマ方言で小説を書き、絵画の構図を取り入れて映画を撮りました。彼らのような存在に肩書きをつけるとす れば、作家でも小説家でも映画監督でもなく、それらさまざまな要素を抱合している芸術家とするのがもっとも適当だと思われます。芸術のカテゴリーを飛び越 える芸術家たち。アクスティマンティコもまた、そんなアーティストなんじゃないかな、と思うのです。それはイタリアの音楽シーンにおいて、彼らに限ったこ とではありません。メドゥーサのお面をかぶって演奏するヴィンチォ・カポッセーラ(Vincio Capossela)のパフォーマンスは、演劇の要素を多分に含んでいるし、ローマ方言の自作詩を叫び倒すレモ・レモッティ(Remo Remotti)のライブは、日本では見慣れないタイプのものです。このように、イタリアのライブパフォーマーたちにも、芸術の配合や横断を感じることが 往々にしてあるのです。
アクスティマンティコのヴォーカル、ラッファエーラ・ミジーティ(Raffaella Misiti、写真・上)は、時に優しく神話や物語を語るように、時に何かを激しく訴えるように歌を歌います。曲間で突然楽曲の意味について説明し始めま す。そんなストーリーテリングとあいまって、さまざまな場所・さまざまな編成で行われる彼らの演奏は、観るたびに印象が変わり、とても魅力的です。芸術を 横断する新しいタイプのアーティストグループ、アクスティマンティコ。彼らとその楽曲の魅力については、下のディスコグラフィーにリンクしている各アルバ ムの紹介ページをご覧ください。
| ヴォーカル |
Raffaella Misiti ラッファエッラ・ミジーティ |
| ギター/作曲/アレンジ |
Stefano Scatozza ステーファノ・スカトッツァ |
| サックス/フルート |
Marcello Duranti マルチェッロ・ドゥランティ |
| ドラム/パーカッション |
Massimiliano Natale マッシミリアーノ・ナターレ |
| コントラバス |
Stefano Napoli ステーファノ・ナポリ |
| (アシスト) | |
| ヴァイオリン |
Carlo Cossu カルロ・コッス |
| コントラバス |
Stefano Napoli ステーファノ・ナポリ |
| 1999年 | 蓮の花(Fiori di loto)」で新人バンドフェスであるソニカ・コンクール新人賞受賞 |
| 2002年 | ファブリツィオ・デ・アンドレ賞 |
| 2003年 | レカナーティ音楽祭で批評家賞・最優秀音楽賞 |
| 2003年 | ファエンツァのMEI(インディーズレーヴェル音楽祭)で特別賞 |
| 2004年 | マントヴァ音楽祭 ベスト・レパートリー賞 |
| 2004年 | 3rdアルバム『サンタ・イザベル』がファエンツァMEIで2004年度最優秀自主制作レコード賞 |
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